クリニックブログ

高齢犬の「婦人科系」の病気

※グロテスクな画像が含まれるため、苦手な方は避けてください。

約7歳半のトイプードルのシャネルちゃんのお腹の巨大腫瘤を摘出しました。5kg程度のシャネルちゃんのお腹の大部分を占め、他の臓器を圧迫していました。

何日にも渡り、食欲が無く、嘔吐も見られました。

おばあちゃん世代(小型犬では大体7歳以降)で、子宮・卵巣の残っている子の場合、第1に子宮蓄膿症(外科治療がなされないと致死率の高い)を疑い超音波検査をします。

今回の超音波検査では、子宮蓄膿症の所見はありませんでしたが、子宮エリアに普通は確認されないようなエコーが確認されたため、開腹手術を実施しました。(通常では、シニアの「婦人科系」の病気では血液検査上の異常が出ることが多いのですが、今回は確認されなかった)

手術時の所見では、子宮・卵巣が、固く分厚く変形していて、表面が水泡の様なもので、ボコボコの形状になっていました。“子宮蓄膿症の一歩手前”のような所見で、何らかのスイッチでアッという間に子宮蓄膿症に至っていたでしょう。

誰に起きるか分からないシニアの「婦人科」病。若いうちからの避妊手術を行い、苦しみ・痛みの無い老後にしていきたいものです。

 

子宮。表面がボコボコで、太さは通常の5-10倍ほどありました。

食欲・元気ともに回復し、トリミングにいらっしゃいました。

合同会社ウッズペットの病院