クリニックブログ

避妊手術の重要性

更新日:2014年7月30日

グロテスクな画像が含まれる為、苦手な方は避けて下さい。

 

今回は未避妊犬のトラブルに関してです。

未避妊のまま老年期を迎えた場合のトラブルとしては

子宮蓄膿症

・子宮ガン

・卵巣ガン

乳腺ガン(乳ガン)

などが代表的ですが、いずれも早期避妊手術でリスクを下げられる病気です。

 

この度、最近来院し、手術をした高齢ダックスちゃ12んのケースをご紹介いたします。

この子は5対ある乳腺(10コの乳頭と乳腺)のほぼ全域に巨大なできものがあり、肺ガンなどの遠隔転移や腫瘍の破裂も心配されるくらいの進行した状態でいらっしゃいました。

全ての乳腺に腫瘍があるため、全ての乳腺の腫瘍を取らなければならなく、(摘出後の寄せた皮膚で呼吸が出来辛くならないようにする為)2度に分けて摘出しました。ご高齢なので麻酔も心配したのですが、幸い無事に乗り切ってくれました。本当にお疲れ様。

また、肺への転移も今のところなくひと安心です。(もし肺に転移すると平均余命2ヶ月です。)

 

この乳腺腫瘍に関するデータでは早期避妊手術の効果として

1回目発情前に避妊した子の発症率は避妊していない子のそれと比較して0.5%に落とすことができ、

1回目~2回目発情の頃に避妊した子が8%

・2回目発情以降の避妊は25%程度

という説があります。

 

何か特別な理由がない場合、なるべく早期の避妊手術を行う。これが長生きの秘訣かもしれません。

合同会社ウッズペットの病院