クリニックブログ

去勢手術の重要性

更新日:2014年7月9日

グロテスクな画像が含まれる為、苦手な方は避けてください。

 

現在、避妊・去勢に関する啓蒙が功を奏して、避妊・去勢が済んでいるペットがかなり増えてきた印象があります。

ですが、まだまだ未去勢・未避妊の犬・猫・ウサギのトラブルも多く、行わなかった場合のトラブルの情報を提供することで、皆様への啓蒙としたいと思います。

 

まず今回は、未去勢のおじいちゃんワンコのトラブルの症例をお伝えし、次回は未避妊のおばあちゃんワンコのトラブルをお伝えします。

と、本題に入る前に、猫やウサギについてです。

やはり、オス特有のマーキングというものは我々同居人を悩ませます。オスとしての自我が目覚める前に去勢を行うことでそのリスクは激減します。当院では犬・猫・ウサギ共に、生後5ヶ月から手術を受け付けています。

 

さて本題のワンコですが、10歳のおじいちゃん犬です(現在は11歳)。ビーグルのおとなしい子ですが、画像の様に腫瘍ができて、いつも臭くてストレスが溜まっていたからでしょう、手術するまでは触られる度に怒っていました。

それと余談ですが、こうなったのは秋以降の寒い時期だった為、まだよかったですが、この様な状況が夏に起きていたら、恐らくウジがわいていたでしょう。考えただけで鳥肌が出ますし、あまりにも可哀想です。

 

さて、この腫瘍ですが無事摘出手術を終え、2週間後に抜糸して現在は全く気にすることもなく体調良好です。

腫瘍を病理検査に送ったところ「肛門周囲腺腫」と返ってきました。この腫瘍、男性ホルモン依存性で大きくなっていくもので、まだ小さければ去勢して、しばらく待てば大概は無くなっていきますが、ここまで大きくなった場合には、去勢と合わせて腫瘍の摘出もしなくてはなりません。もっと肛門中心から発生するものであれば肛門が蓋されて便が出なくなっていたであろうことは容易に想像ができます。怖いですね。

 

去勢しなかった場合のトラブルは、その他にも「会陰ヘルニア」「精巣腫瘍」「前立腺疾患」など意外と多様です。ほとんどが麻酔するのが恐い様なシニアの時期に起こります。その為、他の心疾患または肝や腎の疾患がある場合には手術できなくなり、悲惨な老後になる可能性があります。

去勢は早めに行いましょう。

合同会社ウッズペットの病院